フロントフォークのセッティングについて、知っていますか?
例えば、ブレーキが効きにくい・乗り難い等といった不満などもフロントフォークの調整から改善することもあります。
この記事では、フロントフォークの基礎的な知識、セッティング方法について解説します。
調整方法についてお悩みの方は是非最後までお読みになってください。
フロントフォークの構造について
現代に市販されているバイクでは、フロントフォークに採用されている構造は”テレスコピックタイプ”が採用されています。
この構造は外殻となるパイプと、内殻に位置するパイプがスライドすることで衝撃を吸収しています。
この構造は何十年と使われるサスペンションで、非常に優秀な構造です。
この記事では主にテレスコピックフォークで出来る調整方法について解説しています。
では、次に分解整備時に出来る調整について解説します。
分解整備時に出来る調整
分解整備時に出来る調整幅としては、大きく分けて以下の通りです。
- オイルの粘度
- オイルの量(油面)
- スプリングレートの変更
です。
オイルの粘度を変更するとどうなるのでしょうか?オイルを柔らかくした場合、固くした場合に分けて表を作りました。市販されているオイルの粘度を確認するにはこちらをご確認ください。
オイル粘度/効果 | 掛かる荷重 | 路面追従性 | 乗り心地 |
柔らかくした場合 | 低くなる | 高くなる | 向上する |
硬くした場合 | 高くなる | 低くなる | 悪化する |
簡単に言った場合、オイルの粘度を下げれば減衰力が弱くなり、逆に粘度を上げれば減衰力が強くなります。
このような時はオイルの粘度を変更してみましょう。
- 粘度を上げる場合
- 高荷重を掛けたい場合(ハードブレーキングなど)
- 柔らかすぎて動きが落ち着かないとき
- 夏場など柔らかいオイルを使用していて熱ダレを起こして動きが段々落ち着かなるとき
- 粘度を下げる場合
- 硬すぎて動きがガチガチになってしまっているとき
- ハードなオフロード走行など、路面状況が悪い場合に路面追従性が求められるとき
次にオイルの量を基準から増減させた場合の変化について表にまとめました。
油面高さ/効果 | 縮み量 | 掛けられる荷重 | 反応 | 乗り心地 |
下げた場合 | 多くなる | 小さくなる | 動きやすくなる | 向上する |
上げた場合 | 少なくなる | 大きくなる | 動きにくくなる | 悪化する |
オイルの量を変化させると動く量(縮み量)や、動き方が変わります。大きく好みで変わる調整箇所です。基本は純正指定の基準から、少しずつ増減させるほうが良いでしょう。
このような場合はオイルの油面を変化させてみましょう。
- 油面を上げる場合
- 底突きするとき
- ブレーキを掛けて沈んで不安定になるとき
- 油面を下げる場合
- 突っ張って強くブレーキが掛けれないとき
- ブレーキを掛けても沈まず旋回が出来ないとき
次にスプリングレートを変えた場合に起きる変化について表にしました。
レートの増減/変化 | 縮み量 | 掛けられる荷重 | 路面追従性 | 乗り心地 |
下げると | 多くなる | 小さくなる | 高くなる | 向上する |
上げると | 少なくなる | 大きくなる | 低くなる | 悪化する |
荷重が掛かった際の変化の最大量を変化させるのがスプリングレートの主な調整箇所です。一般的には体重に合わせてレートを選択します。
組付け状態で出来る調整
分解整備時には細かく調整が出来ますが、勿論組付け状態での調整も非常に重要です。方針がわからない場合は、まずは組み付けた状態から決めていく方が良いでしょう。
組付け状態で出来る調整は以下の通りです。
- イニシャルアジャスター
- 突き出し量の変更
イニシャルアジャスターを変化させると以下の表です。
アジャスターの変化 | 車高 | 底突き対策 | 直進安定性 |
緩めると | 下がる | 悪化する | 低下する |
締めると | 上がる | 改善する | 向上する |
バネレートを変化させる前にイニシャルアジャスターを調整すればある程度の方向性が分かります。ただし、回す前に現段階で何回ししているかを把握しなければ元に戻せなくなりますのでご注意ください。
突き出し量を変更すると以下のような変化が起きます。
突き出し量/変化 | 安定性 | 運動性 | 乗り心地 |
減らすと | 向上する | 悪化する | 向上する |
増やすと | 悪化する | 向上する | 悪化する |
突き出し量は純正基準の位置がありますのでそこを基準としてください。基本的に突き出し量を増やすことで、キャスター角が立ちトレール量が減っていき、素早い運動性能(いわゆるローリング等)が得られますが、反対に直進安定性は失われていきます。増やす場合は少しずつ増やしていきましょう。
フロントフォークの調整が必要な場合
基本的に街乗りや、ツーリングで使用している方はフロントフォークの調整はしなくても良い可能性があります。しかし、好みや下のような例の場合は調整を検討しても良いかもしれません。
また、整備に対する知識などがない場合バイクショップや専門店など必ずプロに相談してください。
- 体重が標準より重い人・軽い人
- 段差を超えたときに強い衝撃を何度も受ける
- 底突きを感じたとき
- フロントフォークが柔らかすぎるとき
等。
まとめ
この記事ではフロントフォークのサスペンションの調整とその変化について解説しました。
この記事を読んで気になった方は、この記事を参考に是非サスペンションの調整について取り組んでみてください。
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