ちょっと待った!今チェーンにリチウムグリスを使おうとしませんでしたか!?いや、そんな人いませんよね。笑
さて、バイクの整備には色々な種類のグリスを使用します。適切なところに適切なグリスを使わなければ、全く整備の意味がありません。
今回は、主に使われるグリスの種類を整備箇所などに分けて解説していきます!
リチウムグリス
バイク整備で最もよく使うグリス、リチウムグリスです。
別名万能グリスといった名称で売られていることも多々あります。
リチウムグリスは正式名称リチウム石鹸グリスと言われ、耐水性良く、また耐熱性も優れ、せん断にも強いのでバイクの整備箇所でも多くの箇所に使用が可能です。
主に使用する・出来る箇所
- ステムベアリング
- ブレーキレバー、クラッチレバー
- ホイールやアクスルシャフト
- ピボットシャフト
- サスペンションの軸受
等、金属が摺動するところに基本的にどこでも使えます。
ただし、リチウムグリスはゴムと混ざりやすい(ゴムの強度が落ちる)とされていますので、重要なゴムを使用している部位には使用しないようにしましょう。また、エンジン内部では殆ど使いません。基本的には外側で雨に濡れてしまうような箇所に使います。耐水性が優れているのでちょっとやそっとじゃ落ちません!
取り敢えず、何使うか困ってしまった場合はリチウムグリス!といったところでしょうか。万能なグリスですので、非常に便利でよく使います。
リチウムグリスのオススメ商品は以下です。
AZ 万能グリース 200g
これ、非常に持ちがよく数年ほど前に購入しましたが未だに使い切れておりません。粘度は非常に固いですが、グリスとしての役割をしっかり果たしてくれています。パーツクリーナーで洗い流しにくいので、ウェスなどで拭き取るのがオススメです。
SUZUKI スーパーグリスA
安定のメーカー純正。YAMAHAのグリスより固めです。缶に入っているので使いやすい。
YAMAHA グリースB
こちらはド定番のモノ。何がいいか分からない、という方はこれで全て解決します。値段も非常にお手頃。
ウレアグリス
ウレアグリスは単純にリチウムグリスの完全上位互換なグリスだと認知していれば基本的に問題ありません!と、いうのも使用できる箇所は殆ど変わりません!
また、性能的にも耐水性・耐圧性・機械的安定性も高く、耐熱性も200度近くあっても潤滑性を保つことが出来ます。
- ステムベアリング
- ブレーキレバー、クラッチレバー
- ホイールやアクスルシャフト
- ピボットシャフト
- サスペンションの軸受(リンク等にも)
等に。基本的にはリチウムグリスと変わりませんが高寿命化が測れます。
ですが、決定的な致命点が。リチウムグリスと比べて割と高価なものです。勿論比較的入手しやすい安い製品もありますが、成分表などを見て購入しましょう!
ウレアグリスのオススメ商品は以下です。
AZ ウレアグリース ジャバラ 400g
まずは定番AZ。量も問題なく、値段もお手頃です。かといって極端に性能が悪いとか、良いとかなくウレアグリスに求めているものが手に入ります。正直、めちゃくちゃオススメ。
WAKOS ハイマルチグリース
ワコーズから出ているウレア系ハイマルチグリースもオススメ。お値段はかなりお高いですが、評判はかなり良いです。
キタコ ウレアグリス 5g
そんなにいっぱい使わないんです!ちょっとだけ!って人向けにも5gでちっちゃなチューブに入ってるものもあります。使い切りで行けますが、ちょっとした整備やってみたいから入るなら上の大きなサイズ買った方がいいかも?持ち運びには大変便利です。
モリブデングリス
モリブデングリス、よく聞くかと思いますが、モリブデンが含有しているグリスです。ベースとなっているのはリチウムグリス等が多いかと思われますが、使い方はめっきり違います。
と、いうのもこのモリブデングリス。非常に落ちやすいです。耐水性が良くなく、濡れる部分に塗るのは良くない、とされています。逆に流れ落ちる部分ではあるため、エンジン内部の組み上げで初期かじり防止等に使われることもあります。
デメリットを先走って説明してしまいましたが、リチウムやウレアより優れたことが幾つかあります。それは、極圧性能。そして、耐熱性能。ウレアでは溶けて流れて落ちてしまうようなマフラーボルトに塗ることでカジリ防止となります。また、モリブデン自体も元のベースが仮に溶けてしまっても表面にモリブデンの粒子が残ることである程度の潤滑性は担保されます(むしろ、それが厄介となることもあるのですが)
オフロードを乗っておられる方ではサスペンションリンク周りに使ったりする方も居ます。当然、間違っておりません。極圧性能が高いので、全く使用には問題ありません。問題があるとすれば、やはり耐水性。流れ落ちてしまうので、頻繁にメンテナンスされる方以外にはオススメ出来ない、と言ってしまえます。
- ステムベアリング
- エンジン内部(トランスミッション等)
- プラグのネジ部
- マフラーボルト等高熱が入るネジ部
- ピボットシャフト
- サスペンションの軸受(リンク等にも)
- スクーターの駆動軸(プーリー等)
等に。たまに言われますが、ベアリングにモリブデングリスを使っても異常摩耗等は起こりえません。粒子だから、とは言われますがその粒子が柔らかく潰れることで効果を発揮するものだからです。
そんなモリブデングリスですが、おすすめはあります。
デイトナ モリブデングリス
ちゃんとモリブデングリス。容量も必要十分です。トランスミッションなどに使っていましたが、特段不満はなく・・・たまにリンクにも使っておりました。
AZ 有機モリブデンオイルスプレー
ええ、ええ。AZの回し者です。こちらは有機モリブデンと言って、普通のモリブデンとは若干違います。有機モリブデンは通常のモリブデンより耐水性が良くなっており、簡単には流れません。ただし、時間経過で効果が発揮してくるタイプなので本来の性能を出すためには馴染ませる必要があります。
シリコングリス
シリコングリスは主にゴムを使用しているところに使えます。リチウムやウレアが使えないような箇所に使用することが出来ます。例えばブレーキ部品周りはゴム部品が多く使われている為、シリコングリスを使います。
ただし!ただしなんですが、成分を確認しなければブレーキフルードに接触する面には溶けなくて使えなかったりしますのでお気をつけてください。
- フロントフォークのシール部
- ホイールのシール部
- ブレーキ関係の部品(マスターや、キャリパー等)
等に。プラスチックなども侵さないため、カウル周りやウィンカーのネジなどが錆びないように簡単にちょちょっと塗っておくだけでマシだったりします。あんまり塗りすぎるとベトベトしてだいぶ鬱陶しいのでお気をつけてくださいね。
シリコングリスのおすすめは以下です。
DAYTONA シリコングリス 10g
小型でちょっとずつ使えます。一番最初にこういったものを買って使い切るまでは他は買わずに大事に使っておりました。
スズキ機工 ベルハンマーシリコーングリス 40g
あの有名なベルハンマーのシリコングリス。ベルハンマーと聞くだけでよく滑りそうなグリスですね!ホース周りの口に塗って固着防止として使用しています。
ワコーズ スーパーシリコーングリース チューブ
そして最強のワコーズ。これ一つでゴム周りの部品だけでなく、ブレーキ周りにも使えます。ええ、もちろんピストンシールもこちらで大丈夫です。お値段も最強クラスですが、これ一つで済むと考えれば割と安い方ですよね(比較的シリコングリスは他のグリスと比べると値段は高めな方です)。
番外編
番外編!ぶっちゃけここが一番紹介したかったスペースです。
SUPER ZOIL グリース
めちゃくちゃ有名な商品。スーパーゾイルグリス。ベアリングに入れ替えたりしちゃう人もいます。このグリスの凄いところは表面改質効果。グリスを拭き取った後も効果があります。ステムベアリングやリンク周りに使用していましたが、余程傷んでいるとかでなければヘタりも遅く大変気に入っていました。今でも継続購入を続けているグリスです。
スズキ機工 メタルグリス
こちらも発売時に大変有名になりました。某モトブロガーの方が紹介されていたのが気になりまして、すぐ購入したのですが非常に使い勝手が良かったです。
と、いうのもベースの成分はカッパーグリスかと思っていたのですがモリブデンもリチウムも入っているような感じで極圧性能と耐熱温度が非常に高い。エンジン周りに気軽に使用出来るのでリンク触ったあとにそのままエキパイ触ったりだとか、戻すときにチョイチョイ付けてやったりとか。
ただのメタルグリスではなく、耐水性も非常に良いのでステムベアリング等に塗っていましたが非常に満足しておりました。
CCI メタルラバー
こちらも大変オススメ。CCI メタルラバー。ベースはフルードのような感じですが、主にゴムと金属の摺動面を潤滑するグリスです。なぜ、大変オススメか。ブレーキキャリパーの揉み出しはこれで済ませてしまうと、もうこれ以外使えません。
これを塗って揉み出していると、もう片方のピストンが飛び出てきてしまって抜けてしまう事件があったくらいです(笑)。ゴムと金属の摺動面に使えますので謎にゴムが溶ける、なんて話も聞きますが今まで溶けたことなどありません。むしろ、フォークシール根本に吹くことで動きを良くしたりしています。
MAXIMA 防水グリス
マキシマのウォータープルーフグリス。リチウムグリスのような使い勝手でバンバン使っています。普通のリチウムグリスというよりかは、ウレアグリスに近い性能を持っています。また、水に流されにくく非常に粘度が高いので耐久性も高いです。川の中を走るようなシチュエーションがある方が使用していて評判の「知る人ぞ知る」グリスだと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は今回はグリスの種類と、おすすめのグリスを紹介させていただきました。是非気になれば購入してみてくださいね。
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